明治・大正・昭和(30年代頃)などの今から見たら
『昔』と呼ばれる時代の妊婦さんは、
妊娠中はおなかの中の赤ちゃんのためにも、
2人分食べなければならないよ。なんて言われていました。
ですが、今の妊婦さんには妊娠中の適切な体重管理が求められるようになりました。
昔なら食べすぎくらいが丁度良いとされていたものも食べ過ぎ注意と言われるようになったのは、現代人のわたし達がどれほど食材に恵まれた生活しているのかということの表れと言えると思います。
ですが、そのような妊娠中の体重管理を『ただ太らなければ良い』という捉え方をしてしまい、妊娠中なのに『痩せることに一生懸命になってしまう』妊婦さんもいます。
このような現状では昔のような食品が良くなかったせいで影響を受けていた栄養状態を意図的に太らないために抑え過ぎて、結果的に赤ちゃんへの栄養が足りない状況になってしまう場合もあるようです。
このように妊娠中の『必要以上のダイエット』が、実は生まれてくる『子供の将来的な肥満』につながってしまうことが問題とされるようになり始めました。
・妊娠中の不必要なダイエットがもたらす子供への影響
先ほど、妊娠中に必要以上なダイエットを行うと、将来子供が太りやすくなる原因となるというお話しをしました。
その理由は、妊娠中に必要以上なダイエットを行うと、お腹の中に必要な栄養素がまかなえなくなってしまうからです。
そうなると赤ちゃんは、少ない栄養の中でも生きていけるように遺伝子情報が書き換えられてしまいます。
少ない栄養価の中でも生きていける能力は昔のような栄養状態が悪い時代では必要な能力だったのですが、現代は『飽食の時代』と言われるように栄養価が少ない状況になる事はほとんどありません。
少ない栄養価の中でも生きていけるようになった体は、一般の人と同じような食生活を送っていると過剰に栄養摂取することになってしまい、肥満になりやすくなってしまうんです。
妊娠中ダイエットで『子供が将来的な肥満のリスクを抱えてしまう』というのはこういった仕組みがあったからなんですね。
また妊娠中の必要以上なダイエットの悪影響は、それだけではありません。妊娠中に必要以上なダイエットを行ってしまうと、生まれてくる赤ちゃんが未熟児として生まれてくるリスクが高まります。
そうなると様々な合併症のリスクが上がってしまう上に、赤ちゃんの成長や発達が遅れてしまう可能性もあるんです。さらに未熟児として生まれてきた赤ちゃんは、様々な内臓機能が未熟なため、免疫力がとても弱く、体調不良になりやすいところが、様々な感染症にかかりやすくなるリスクもあります。
妊娠中に、必要以上なダイエットを行ってしまうと、赤ちゃんに対してこのようなリスクがあるんです。
・妊娠中にもダイエットをしなければならない時がある
現在では妊娠中にもダイエットしなければならない時があります。
妊娠中は基本的にはおよそ10キロ前後は太っていくものなのですが、
それを遥かに上まわって体重が増えてしまった場合は、
母体に妊娠糖尿病や妊娠中毒症などのリスクがあるため、
そういった場合は妊娠中でもダイエットを行う必要があります。
ですが、その際の判断は自己基準ではなく、妊婦健診で体重の増加のしすぎを指摘された場合だけです。お医者さんの方から理由を含めて、ダイエットの指示がでます。
そうなった場合はダイエットを行いましょう。
ですがその時に忘れてはいけないのが、
何のためにダイエットするかというところです。
お医者さんにダイエットをするように言われた時は、
見た目が悪いから。などといった理由ではありません。
赤ちゃんがすくすくと育つための環境を整えるために
体重を適切な重さまで整える必要があるからです。
それだけは絶対に忘れないでくださいね。
・妊娠中はバランスの良い栄養補給と適切な体重管理が重要
実際に妊娠中のダイエットを行う場合は、おなかの中の赤ちゃんに、必要な栄養素を送りながら、母体をシェイプアップさせていく必要があるため、きちんとバランスの良い栄養補給しながら、適度に体重を落としていく必要があります。
また、妊娠中は、妊娠前のように激しい運動はできないし、極端な食事制限ダイエットはできません。これから、妊娠中に接しをしたい食べ物をいくつか紹介していくので、そういった健康的なものを中心に、適度に食べながら、ダイエットをしていきましょう。
緑黄色野菜
これは妊娠していなくても毎日取りたい食べ物です。緑黄色野菜は、健康的な体作りにはなくてはならない食べ物です。また妊娠中には、その時に必要とされている葉酸、ビタミン、カルシウム、鉄分、食物繊維、これらが豊富に含まれています。
特に葉酸は胎盤の細胞増殖に必要なDNAの合成を促すため、胎児の脳や神経、心臓などの様々な重要な器官が作られる妊娠初期から摂取したい栄養素です。
また、葉酸はモロヘイヤ、ほうれん草などに多く含まれているのですが、それだけでは不足しがちだというかたは、それに加えサプリメントなどで補給することも進められています。そして、もう一つの要素として葉酸については『水溶性のビタミン』なので
雑穀類
玄米などの雑穀には、妊娠中に摂取したいミネラルやビタミン、カルシウムなどが豊富に含まれていることはご存じの通りです。
また食物繊維もたくさん含まれているので、便秘になりがちな妊娠中のママさんにはとてもおすすめです。
ただし、雑穀にも注意が必要な点があります。
それは、『硬さによる消化不良』です。
なので、玄米にしても粟(あわ)や稗(ひえ)などの雑穀も柔らかく炊くために圧力鍋などを使って炊くと良いでしょう。
慣れてくると水加減や加熱時間で自由に『硬さを加減できる』ようになります。
海藻類
海藻類には鉄分やカルシウムを、食物繊維が豊富に含まれています。
またひじき、青のり、わかめ、もずくなどはとてもカロリーが低く、
あっさりとして食べやすいので、つわりで悩みがちな妊娠初期の時におすすめです。
また、食物繊維の種類としても便を柔らかくして排出しやすくなる水溶性食物繊維なので、骨盤の開きと共に大きくなった子宮に圧迫されて便秘になりやすい妊娠後期には積極的に食べたい食材です。
大豆類
納豆、豆腐などは食物繊維が豊富に含まれています。またこのような大豆製品から含まれるタンパク質は、赤ちゃんの体のベースになる、血液、筋肉などを作る主成分です。大豆製品の中でも枝豆は、それらに加え、葉酸が含まれている量が高めなのでオススメですよ。
キノコ類
食物繊維やビタミン、カリウム、鉄、亜鉛などが含まれているキノコ類は、妊娠中にはぜひとも積極的に取り入れたい食べ物なんです。
特にエリンギやまいたけ、えのきには、妊娠中に必要な葉酸がたっぷり含まれています。
バナナ
バナナには葉酸、食物繊維がたくさん含まれています。またつわりに悩んでいる方は、つわりを軽減させてくれるビタミンB6が豊富に含まれているため、そういった方にもバナナはおすすめです。
妊娠中のダイエットには、このように妊娠中に必要な栄養素がたくさん含まれている食べ物を中心に食べるのがポイントです。
また緑黄色野菜などをはじめ、これらの食べ物中心に、適度な摂取量を食べていけば、健康的に、おなかの中の赤ちゃんに負担をかけずに痩せていくことができるでしょう。
・妊娠中ダイエットを子供の肥満にしないためのまとめ
このページでまとめたように、妊娠中のダイエットには、バランスの良い栄養補給をしながらの体重管理が必要になってきます。
食生活を見直すのもとても大事なことなのですが、それと同じくらい、できる範囲での日常的な有酸素運動がとても効果的です。