妊娠中は、おなかの中の赤ちゃんを小さいまま育てて出産を楽にしたい。
妊娠中でもやっぱり綺麗でいたいから、できれば太りたくない。
出産後に増えた体重がちゃんと落ちてくれるか不安だから妊娠中からダイエットをしておきたい。
このように考えるママさんは非常に多く、近年の日本では、これが問題視されています。
というのも、妊娠中に体重管理の必要に応じてダイエットをする分には良いのですが、そうでない場合は、ダイエットを行うことで赤ちゃんにリスクが生じてしまう場合があり、そうなってしまう割合がおよそ20年前に比べると、およそ20%も増えているんです。
その要因として、近年のダイエット思考が理由とされていますが、もしも妊娠中に不必要なダイエットをしてしまうと、おなかの中の赤ちゃんが様々なリスクを背負うことになります。
このページでは、妊娠中にダイエットをすることで実際にどのようなリスクがあるのかをまとめているほか、母体とお腹のなかの赤ちゃんが健康でいられるために、実際どのようなことをしたら良いのか、等についてまとめています。
まずは実際にどのようなリスクがあるのかについて見ていきましょう。
・妊娠中ダイエットにはどんなリスクがあるのか
妊娠中に不必要なダイエット行ってしまうと、おなかの中の赤ちゃんに
必要な栄養が十分に届かなくなってしまい、
赤ちゃんに対して次のようなリスクが考えられます。
- 低体重出生児(未熟児)
- 合併症のリスク
- 感染症のリスク
- 将来の生活習慣病のリスク
また、妊婦さん自身の産後の生活でもリスクがあるんです。
- 産後の骨粗しょう症
- 産後うつ
- 閉経が早くなり更年期障害が起こる
- 通年性の体調不良
ママの身体においても産後の長い人生の中でさまざまな障害となるリスクが妊娠中の過剰なダイエット意識に潜んでいるんですね。
このページでは、妊娠中のママが一番心配になる『赤ちゃんへのリスク』について詳しく見て行きたいと思います。
また、妊娠中に過剰なダイエットではなく、健康維持のために本当に必要なダイエットがなぜ必要なのかを一緒に見て行きたいと思います。
・妊娠中ダイエットにリスクがあるのはなぜ?
では妊娠中に過剰なダイエットを行うことで、先程のようなリスクが出てくるのはなぜなのかについて見ていきます。
まず未熟児として生まれてしまうリスクについてですが、おなかの中の赤ちゃんは、お母さんが補給する栄養を頼りに成長していきます。
そのため、お母さんの栄養自体がダイエットによって不足してしまうと、おなかの中の赤ちゃんに行き渡る栄養までもが不足してしまうため、お腹の中で十分に成長することができず、未熟児として生まれてしまいます。
未熟児として生まれた赤ちゃんは、充分に成長してないまま生まれてくるため、内臓の発達や機能がとても弱く、合併症や、様々な感染症にかかりやすくなってしまいます。
また、将来生活習慣病のリスクが上がってしまうことについては、イギリスのある学者の実験によると、お腹の中で少ない栄養価の中で育った赤ちゃんは、少ない栄養の中でも生きていけるように、遺伝子が変更されていき、その遺伝子を持った子供は、将来大人になって、現代のような栄養が豊富な食事を毎日とり続けると、通常よりもメタボリックシンドロームなどの生活習慣病のリスクが高くなってしまうというわけです。
つまり妊娠中の不必要なダイエットは、目先の話だけではなく、将来的にも子供に大きな迷惑をかけてしまうということです。
そのため、妊娠中は自分のプロポーションを維持するという意味ではなく、おなかの中の赤ちゃんが健康的に育っていける環境を作るための、体重調整をするというニュアンスが正解です。
・妊娠中はダイエットが必要なときもある
ここまで、妊娠中の不必要なダイエットをすることでのリスクについてまとめてきましたが、妊娠中にもダイエットが必要になって来る場合もあります。それは必要以上に体重が増えすぎてしまった場合です。
その際は病院の先生との指示が出るかと思いますが、実際に妊娠中に太りすぎてしまうと、どのようなリスクがあるのかについて見ていきましょう。
妊娠高血圧症候群のリスク
妊支柱高血圧症候群は、妊娠20周目以降から、分娩までの12週までに、妊婦の体に高血圧症が見られるという症状で、俺が悪化してしまうと母体だけでなく、赤ちゃんにもリスクがあります。
赤ちゃんが発育不全になってしまうなどといったことも心配されますが、それだけではなく妊婦さんの肺水腫(はいすいしゅ)や脳出血、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)といった胎児死亡や母胎の命に関わる重大な症状につながる危険性が具体的なリスクとして挙げられます。
妊娠高血圧症候群は、塩分の過剰摂取が原因として一番大きく考えられます。
また、血糖値の急上昇による血液の質の低下(ドロドロになる)によっても心臓から血液を送り出すポンプ圧力が高く必要になってしまうため高血圧症候群となる可能性が高くなります。
つまり、糖質や塩分の摂り過ぎが妊娠中の高血圧症候群の直接的な『引きがね』になってしまうんですね。
妊娠糖尿病のリスク
妊娠中に血糖値が高くなってしまう症状を妊娠糖尿病と一般的にはいいます。これは妊娠高血圧症候群を引き起こしてしまうだけでなく、おなかの中の赤ちゃんが巨大児になることや、流産、胎児死亡等、おなかの中の赤ちゃんにとっても非常に高いリスクがあります。
それだけでなく妊娠中の過剰な体重増加による腰痛や、出産が長引きやすくなるなど、出産時のトラブルの原因にもなります。また、肥満妊婦から生まれた子供は、若くして死亡してしまうというリスクが高いという論文も発表されています。
これだけ見ても、妊娠中に必要以上に太ってしまうのもよくないということがわかります。
・母体と赤ちゃんの健康のためにできること
では、妊娠中に母体と赤ちゃんの健康のために何をしたら良いのか、どんな体重管理をしたら良いのかについて説明していきます。
あくまで目安ですが、1週間に500グラム以上の体重増加があった場合は
食生活を少し見直す必要があるといえるでしょう。
妊娠中の体重増加は、緩やかな曲線のように増えていくのが理想だと言われており、体重が一気に増えてしまうのはあまり良くないので、目安として1週間に500グラム以上増えてしまった場合、次の週は500グラム未満の増加で抑えられるようにするなど、うまく調整して行くのも、妊娠中の体重管理に必要なポイントです。
また、食事のバランスは特に気をつけたいところです。
妊娠中は、脂肪燃焼をさせるための激しい運動は『基本的には出来ない』ので、
- 脂質
- 糖質
- 塩分
上記の3つについては摂取量をコントロールしたいものです。
また、赤ちゃんの成長やママ自身の健康に直接影響する鉄分や葉酸不足、カルシウム不足、タンパク質不足は絶対に避けたいものです。
- 葉酸
- 鉄分
- タンパク質
- カルシウム
- マグネシウム
- カリウム
これらの栄養素とミネラルは積極的に摂りたいところです。
そのためには、
この時気をつけたいのが、効率よく食事に気を使いながら痩せていくには、
『炭水化物抜きダイエット』が一時期ブームとなりましたが、
妊娠中に完全に炭水化物抜きで生活をすると、赤ちゃんに影響が及んでしまう可能性も否定できません。
なぜなら、いわゆる白いお米には『核酸』と呼ばれる遺伝子情報を身体の隅々の遠くまで正しく伝える遺伝子情報の設計図のコピーとでも言える役割を果たす栄養素があるからです。
カロリーを削減するという意味では“炭水化物抜き”ではなく“炭水化物制限”のほうが栄養補給という意味では安全性が高いと言えます。
また、お米を食べる量を減らしたとしても、栄養バランスを取れるようにするためには雑穀米や玄米などを食べるようにすると良いでしょう。
またもう一つやってはいけないこととして、激しい運動が挙げられます。
少し考えてみて頂きたいのですが、妊娠中に激しく動いてしまうと流産のリスクが一気に上がります。
短期間で体重をコントロールするにはそういった方法を取るのは、確かに間違ってはいませんが、妊娠中の激しい運動はリスクが高すぎるので、できる範囲での無理のない有酸素運動などをする位にしておきましょう。
また、毎日同じ時間に体重を計る事は、とても重要なことです。中には増えていく体重、成果が出ていないかもしれないという恐怖心から、こまめに体重を計る事を避ける女性も少なくありません。ですが、今の現場を把握しないことには、どのような動きをしたら良いのかわかりません。
また毎日きちんと測ることで、うまくいっている場合は、それがモチベーションにつながります。ダイエットをする上ではモチベーションはとても大事なので、そういった意味でも決まった時間に毎日体重を計ることを心がけましょう。