妊娠中は体重管理ダイエットが必要になることが多いのはほとんどの妊婦さんが実感されているかと思います。ですが、ひとことで体重管理と言っても太ったらその分食べなければ痩せて行くという単純な考え方のダイエットは妊娠中の場合は危険です。
お腹の赤ちゃんに栄養を与えなければなりませんし、自分自身が健康でなければ産後の子育てにも影響してしまうからです。
そこで、今回は妊娠中にやってはいけない危険な痩せ方と安全な体重管理のための痩せ方について一緒に見て行きたいと思います。
まずは、妊娠前の通常時には普通にやってしまいがちな「食べない系ダイエット」の危険性について一緒に見て行きましょう。
妊娠中に食べない系のダイエットをしたらどうなるの?
もしも妊娠中のあなたが、断食などの食べない系のダイエットをしてしまうと、その悪影響が赤ちゃんに及んでしまう可能性があります。
赤ちゃんに及んでしまうという悪影響とは具体的にいうと3つです。
- 低体重児のリスク
- 将来的なメタボの危険性
- 多動性注意欠陥症候群のリスク
それでは、これらのリスクをもう少し詳しく見て行きたいと思います。
低体重児のリスクとは
低体重児とは、出生時の体重が2,500g以下の赤ちゃんのことなのですが、ただ体重が少ないだけではなく、母胎の中で充分に内臓が発達していないため生まれてすぐの状況下で危険性があるさまざまな感染症のリスクが高くなってしまうんです。
将来的なメタボの危険性
生まれたばかりの赤ちゃんの内臓が充分に発達していないと、成長するための栄養の受け取りがうまく行きません。そのため少ない栄養でも発育ができるように遺伝子情報が書き換えられてしまうんです。そうなると大人になってから充分に食べられるようになると栄養やカロリー過多ということになってしまい、メタボリック症候群の可能性が高くなってしまいます。
多動性注意欠陥症候群のリスク
多動性注意欠陥症候群とは、子供のうちでは幼稚園や学校に通うようになってから「落ち着きがない」とか「集中力がなく注意力が散漫」と指摘されてしまうことです。大人になる過程で学校の成績や就職する年齢になる前に勉強や仕事がうまく行かないと悩んでしまうことになるのですが、この原因は妊娠中に「食べつわりなどで食べたいのに体重管理のために食べない、あるいは食べることを無理やり我慢する」といったことによって過度なストレスやイライラが積み重なることによって起こると言われています。
妊娠中の体重管理の目安は?何kgまで増えて良いの?
母体や赤ちゃんに悪影響が及ばないように安全にダイエットを行うためには、以前とは少し違った視点で体重管理を行う必要があります。 具体的に言うと、以前のように体重をガンガン落としていくイメージではなく、臨月に向けてだんだんと増えていく体重が急激に増えていかないように体重増加をコントロールするようなイメージです。
妊娠中に増えて良い体重の目安は、妊娠前のもともとの体重の「BMI値」によって目安が決まります。
BMI値別による体重増加の許容範囲は下記の通りです。
- BMI値が18以下(やせ形体型)の方は9~12kgまで
- BMI値が18~24まで(平均的な体型)の方は7~10kgまで
- BMI値が25以上(肥満体型)の方は5~7kgまで
このような目安で妊娠中の体重の増加幅を管理することができれば「理想的な体重増加」になっていると判断されます。
BMI値ってなに?
BMI値とは「体重÷(身長×身長)」という計算式で割り出せます。
このBMI値の計算式で間違ってはいけない点は、身長×身長の部分をメートル単位で計算するところです。たとえば身長が161cmで体重51kgの方なら「51÷(1.61×1.61)=19.55」という計算になります。
ただし、体重増加は理想的な範囲に抑えることができても血糖値や血圧が正常値になるようにすることが一番大切な妊娠中の健康管理のポイントになります。
妊娠中は具体的にどんなダイエットをすればいいの?
それでは、妊娠中は具体的にどんなダイエットをすれば良いのか。という部分について見ていきます。 なお、妊娠中に限らずの話になるのですが、ダイエットの基本として「1日の摂取カロリーをできるだけ減らし、1日の消費カロリーを少しずつ増やしていく」このような要領でダイエットを行っていきます。 しかし、妊娠中の場合はおなかの中の赤ちゃんに、絶えず必要な栄養を届けてあげなければいけませんので、今の内容に加えて、「バランスの良い栄養補給」を意識していきましょう。
栄養バランスのとれたヘルシーな食事を意識
これは、毎日継続して行うとなると、意外と難しいですよね。 特に妊娠中は食事の好みが変わったり、うっかり食事の内容が偏ったりすることもあるでしょう。 ですが、ダイエットの基本は食事の見直しですので、まずは普段の食事を見直していきます。 なお、これについては細かく言っていくとキリがないので、大まかに言うとヘルシーで栄養バランスのとれた和食のメニューを意識していきます。 日本食と言うのはよくできていて、ヘルシーな和食のメニューを心がけているだけで、余分なカロリーを抑えながら妊娠中に必要な栄養をバランスよく補給出来るようになっています。 また、考え方の1つとして野菜や果物中心の食生活と言うのもオススメです。 ただ、お肉や魚などを一切食べてはいけないわけではありませんので、そういった食材もうまく取り入れながら、たくさんの種類の野菜を摂取していけるように心がけていけると良いでしょう。
負担にならない軽い運動の要素を取り入れる
少し前にもお話ししましたが、ダイエットの基本は1日の摂取カロリーをできるだけ抑えて、1日の消費カロリーを増やしていく。これが基本になります。 運動の要素を取り入れることで、1日の消費カロリーを増やしていくことができます。 なお、運動についても妊娠中にできる内容は限られてしまいますが、その中でも多くの方が取り入れている妊娠中の運動と言えば、やはりウォーキングです。 この運動はもはや鉄板ですが、妊婦さんにとってもお勧めの運動だと言われています。 家の近所をお散歩するだけですので、特に何か新しいものが必要となるわけでもありませんし、ちょっとした空き時間を使って行うことができます。 誰でもすぐに始められるのが、この運動の魅力ですね。
ダイエットは正しいやり方で継続することが命
妊娠中ダイエットになりますので、あくまで無理は禁物なのですが、一度ダイエットを始めた際は、諦めずに長く続けることを意識していきましょう。 その日の気分や体調によっては、普段やっているダイエットメニューを行うのが困難な日もあるかもしれませんが、そういった日でも、その時にできることを意識して、コツコツ続けていけると良いですね。 また、「正しいやり方で」と言うのも大事な要素の1つです。 せっかく一生懸命コツコツ取り組んでいても、そのダイエットが、もしも痩せる仕組みができていなければ、痩せるものも痩せません。
そういった具体的な部分については、お医者さんと相談しながら、ご自身に合った痩せる仕組みができている正しいダイエットを見つけて、それを行っていけると良いかと思います。