妊娠中に困ったことの体験談シリーズのひとつなのですが、今回のテーマは『子宮筋腫による激痛と入院』についての体験談を寄せて下さった方がいらっしゃるので一緒に見て行きたいと思います。
『今現在妊活中で赤ちゃんを授かるために頑張っている方』にとっては自分自身の健康のためにもぜひおさえておいて欲しい『女性の身体の仕組みと健康』です。
未来の幸せのために頑張っているのですから、その頑張りをしっか実らせるためにも知っておきたい知識ということですね。
ではさっそく見て行きましょう。
子宮筋腫の変性で激痛!即入院で分かった知識不足
私は2015年高齢にて妊娠することができました。
元々、子宮筋腫が30代前半から数個あったのですが、大きいもので4センチほど。
普段の検診では『今は特に処置する必要はないので様子を見ていきましょう』とのことで数年間気にしないで生活してきました。
今回の妊娠についても、お医者様からはおそらく出産には影響があまり無さそうな場所なので、様子を見ながら妊婦検診を受けることにしました。
妊娠5か月目の丁度『戌の日』になんだかおなかが突っ張って、歩くことにも違和感を感じ、即病院へ行くと数個あるうちの2個の筋腫がホルモンの影響によりだんだん大きくなってきているという診断でした。
一つは5センチ、もう一つは15センチにもなってしまっていると・・・
ですが、その時は『カロナール』という薬が処方されました。
ちなみに痛みに対しての見解は『おそらく胎児が大きくなるにつれ、筋腫に栄養が行き渡らなくなることで起きる変性による痛みであろう』との話でした。
しかし飲んではみたものの、妊婦でも飲める弱い痛み止めということで効果を全く感じることが全くできず、約3日間なんとか耐えしのいでいると突然痛みは治まりました。
これで難は逃れたと思っていました。
しかし、6ヵ月目に入ったある日、また同じ痛みが数日続き、お腹だけでなく太ももまで神経痛のようにピリピリしだす始末・・・
最終的には歩くこともできず、家の中を這って移動しないといけない程になりましたが、救急車を呼ぶのもためらわれ、かといって連休中であったため行きつけの産院は休診。
今思えば、休診であっても誰かは必ず病院にいるのだから、電話くらいすれば看護師さんが対応してくれたであろうと、自分からアクションを起こさなかったことを後悔しています。
連休があけたので、早速朝から病院へ行きましたが、また前回と同じ薬を処方され、帰ってきました。
その日の夕方、「これは絶対まずい」と思うほどの痛みが定期的に襲ってきて、家族にやっとの思いで電話をし、車で病院へ運んでもらいました。
着いたころには、先生に状況を話すこともできず、その場に倒れこんでしまう程の痛みに襲われ、即入院となりました。
大きな部屋が丁度、一部屋空いていたので、そこに入院。
痛みはMax、冷汗は出るし、熱は38度台まで上昇し、寒くて震えるほどの状態になり、部屋の暖房をたいてもらいましたが、暖かさを感じることはできませんでした。
飲み薬でなく、痛みどめと思われる注射をしてもらうと、少しは痛みが引いていきますが、また痛みの波がやってきて結局次の日の朝まで、一睡もすることができずに唸りながら耐えてしのぎました。
体力も使いフラフラだったため、次の日の朝に精神安定剤を飲ませてもらい、数時間眠ることができました。
ですが、3日間は全く食べることもできず4.5日は注射と点滴をして絶対安静。
というより実際は『歩ける状態ではない』というのが正直なところでした。
5日目やっとなんとか痛みも消えて普通の状態に。
食べたり飲んだりしなかったことで体重は入院中に一気に5キロ落ちており血液中の炎症どを計るCRPは15まで上昇していたとのこと。
痛みが引いた後でも、この数値が下がるまでは退院許可がおりず、結局まるまる1週間入院する羽目になりました。
幸い子供には全く影響がなく無事に産まれてきましたが、丁度入院していた時期が切迫流産と切迫早産の分かれ目の時だったので、もし流産してしまって助けることができても、後遺症が残るかもしれないとの話を聞きました。
改めて振り返ると本当にぞっとします。
ただ、私には炎症の痛みは感じても、流産になるような陣痛的な痛みは全く感じなかったので、絶対大丈夫という根拠のない自信とともにやり過ごしていたのを思い出します。
しかし後で調べてみると、痛みによる子宮収縮で子供が死んでしまう恐れや感染症にかかるかもしれないことなど胎児への影響を知らなかったことは本当に怖いことだと思いました。
完全に妊娠に対する知識不足でしたね。
その後の検診でエコーでは筋腫だった部分が2つとも真っ黒く写り『これで筋腫は死んだ細胞になりましたよ』と説明されました。
私が子供を産んだ産院は、先生が一人で仕事をこなしていた開業医で市内でも人気で予約が取れないほどの病院でした。
毎日2.3人の赤ちゃんが生まれている様子でした。
その病院で開業6年目にして、私のような症例は2件目だとお話されました。
ネットではこの症例のことは記載されているのを目にしますが、妊娠中にこのような状態になることは珍しい方なのかも知れません。また、事前に子宮筋腫があることがわかっていても、私の場合は事前に阻止する方法がなかったように思います。
なぜなら、先ほども言った通り完全に知識不足でおまけに甘く見ていたのですから。
しかし、妊娠を希望する前の段階で、様子をみましょうと言われても他の病院へ行って(セカンドオピニオン)見てもらったりすれば、投薬で小さくしたり、手術をする方法があったかもしれません。
無事なんとか出産できた今だからこそ改めて落ち着いて振り返ることができますが、考えてみれば『完全な知識不足』と『なんとかなるだろう』というのが危険だったんだなと思います。
知れば怖くない子宮筋腫の対策
子宮筋腫が妊娠に影響してしまったという今回の体験談いかがでしたでしょうか。
体験談を書いてくださった方もおっしゃっていましたが、子宮筋腫が分かった時点でもっとちゃんと知識(ネットだけではなく先生に相談することで)をたくわえておいて対策の準備をしておくことが大切だったと語っています。
そこで、今回は子宮筋腫の対策についてできるだけシンプルにまとめてご紹介するという形で終わりたいと思います。
子宮筋腫ってガンなの?
子宮筋腫というのはガンではありません。
『子宮筋“腫”』というだけに悪性腫瘍やガンと結びついたイメージが強くなってしまうかも知れませんが、決してそんなことはなく『健康な40代成人女性の4人に1人は子宮筋腫を持っている』と言われているんです。
ちなみに悪性腫瘍に発展してしまった子宮筋腫は『子宮肉腫(しきゅうにくしゅ)』という病名になります。子宮肉腫は悪性腫瘍で女性ホルモンの影響と関係なく増加したり大きくなったりします。
ただし、妊娠前の通常時の時点で子宮筋腫と子宮肉腫の見分けがつきにくく、診断でも見逃されるケースが多いようです。
ただし、子宮筋腫や子宮肉腫の兆候として表れるものに『生理時の経血量の急激な増加と黒い血の塊が出る』というものがあります。
子宮筋腫の痛みや症状は?
子宮筋腫の主な症状は、先ほども触れた通り経血量の増加と血の塊りが出ること、そして貧血や下腹部の痛み(もしくは激痛)があげられます。
また、月経の長期化(10日以上)というものも一つの目安になります。
さらに子宮筋腫が確定的だと言われている症状の中には、腰痛と下半身の痛みとしびれが同時に表れるもしくは交互に表れるというものがあります。
しびれの理由は筋腫が女性ホルモンの影響で肥大化して神経系を圧迫することやうっ血が考えられます。
こういった症状が表れている場合は筋腫が肥大化していることが考えられるので、できる限り早期に精密検査を受けることや、はっきりとした診断が得られない場合は『他の病院でも検査を受けるセカンドオピニオン』を考える必要があるかも知れません。
もし、かかり付けの産婦人科医に『婦人科腫瘍専門医』がいる場合もあるので、もしいれば相談することで最適な治療法を提案してくれる確率が高いと言えます。
もし産婦人科で肉腫の疑いがあると診断された場合やセカンドオピニオンを受けたいという場合は『希少がんホットライン』という電話相談窓口があるので、連絡してみると疑いや不安が晴れることにつながるかも知れません。
希少ガンホットラインとは、国立がん研究センターでの治療を受けたいという方や最適な治療を受けれているのかという相談に乗ってくれます。
子宮筋腫があると妊娠できない?
子宮筋腫があると妊娠できないかも・・・と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、そんなことはありません。
ただし、女性ホルモンの分泌量の変化やエストロゲン量とプロゲステロン量のバランスの変化が起こるのが妊娠中なので、その影響で子宮筋腫のコブが大きくなる可能性が高いと言われています。
その場合は今回の体験談のような激痛と貧血、痛みで意識が混濁したり寒気が止まらないと言った強い症状が現れることがあります。また、最悪の場合では筋腫の痛みで子宮収縮が起こり、その影響で赤ちゃんが死に至るというケースが考えられます。
いずれにしても、妊娠前にその可能性があると診断された場合は、妊娠前に投薬治療で小さくするか、子宮体部の筋腫部位だけを切除する手術を受けるなどの対策をしっかり取っておいた方が良いでしょう。
妊娠中に子宮筋腫が見つかったら?
妊娠中に子宮筋腫が見つかる場合もあるかと思います。しかしその場合は、ホルモンバランスの変化やホルモン分泌量の変化で筋腫が一時的に大きくなっているだけというケースも考えられます。今回の体験談でも妊娠中に筋腫の痛みを疑って検査を受けた時に『一時的な筋腫の肥大化があるかも知れないのでまずは痛み止めを飲みながら様子を見る』という診断が出るケースも。
こういったことを言われて不安を感じるのが当然ではないかと思います。やはりセカンドオピニオンを受けることや場合によってはサードオピニオンまでも視野に入れて考え、しっかりとした対策を打つべきです。
決して事態を甘く見ておろそかにすることがないようにしましょう。