今回も妊娠中の体験談シリーズということでお送りして行きたいと思います。
今回のテーマは『切迫流産と休めない仕事の二者択一』です。
体験談を寄せて下さった方も職場から戦力として期待されていて自分自身も辞めたくないとは思っていたそうです。
今も昔も変わりのないことかも知れませんが、妊娠してからも仕事を続ける妊婦さんはたくさんおられます。自分自身もやりがいとか楽しさを感じている仕事であれば、本当は辞めたくないけど、このまま仕事を続けると切迫流産の危険があると診断されるとやはり悩むのは当然と思います。
こんな時にどんな選択肢があるのか・・
それではさっそく一緒に見て行きましょう。
切迫流産と休めない仕事の二者択一の体験談|わたしの選んだ道は・・
初めての子どもを妊娠中のことです。まだ妊娠初期の3ヶ月頃のこと、家にいて突然お腹が痛くなりました。
そして、生理の時に経血が流れてくるような感覚があり、急いでトイレへ行きました。
するとパンツに茶褐色の血のようなものがついていました。
わたしは、なかなか妊娠することができずに、不妊治療を行っていました。
そしてやっとできた待望の赤ちゃんでした。
なので、その茶褐色の血のようなものを見たときに流産しそうになっているのかもしれないととても不安な気持ちになりました。
私が住んでいる場所から通っている産婦人科までは車で1時間運転していかなければなりませんでした。
もしも流産しかけているのであれば車の運転はしないほうがいいのかもしれませんが、その時は気も動転していたし、通っていた産婦人科に電話すると一回診せにきてくださいと言われたので、車を運転していきました。
運転中もまた出血がおこるのではないかとか、また腹痛が起こるのではないかととても不安でした。
何とか何事もなく産婦人科に着きました。
そして診察をしてもらいました。
すると先生から、切迫流産だと言われました。
切迫流産とは流産しかかっている状態のことです。
先生からは妊娠初期に15%ほどの人は流産すると言われました。
それはお母さんが悪いのではなくて、その赤ちゃんが持っている染色体の異常だと言われていました。
でもそんなことを言われても、赤ちゃんのせいにできるわけもなく、まだ流産すると決まったわけでもないのに気分がズーンと落ち込みました。
そして、自分を責めました。
当時、私はパートで立ち仕事と重いものを運ぶ仕事をしていました。
パートでしたが、激務のため朝の10時から、夜の8時までほぼ休憩もなく働いていました。
お昼をおにぎりでぱくぱくと食べるくらいの休憩しかとれませんでした。
なので今回の切迫流産もその仕事で無理をしたせいだと感じていました。
先生からは切迫流産なので一週間くらいは様子をみておいたほうがいいと言われました。
できるだけ安静にして、トイレくらいしか立ち上がらないほうがいいと言われました。
そしてまた一時間の道のりを運転して帰りました。
帰ってからは布団を敷いて安静にしていました。職場にも電話をして事情を説明し、一週間お休みをもらうことにしました。
主人にも話すと、主人はとても理解してくれて、私を安静にさせてくれました。
安静中、数日後に職場から電話がかかってきました。
そして、赤ちゃんを第一に考えて仕事はやめたほうがいいんじゃないかと言われてしまいました。
本心だったのか、足手まといの妊婦は要らないということだったのかわかりませんが、私は仕事をやめることにしました。
その仕事ははじめてまだ二ヶ月くらいでした。
仕事を覚えてきて、人間関係もいい職場で、ストレスを感じやすい私にとってはとても楽しく仕事ができる環境だったのにとても残念でした。
昔からあこがれていたアパレル関係の職場で、まだまだ仕事をしたいし、仕事が楽しいと思っていた時期でした。
しかし、ちょうど繁忙期だったのにいつまた使えなくなるかわからない人を置いておくより新しい人を雇ったほうがいいだろうという気持ちもありました。
それに、職場の人はまた元気な赤ちゃんを産んだら戻ってきてほしいと言っていました。
なので、わたしはそうすることにしました。
結局10日ほど安静にして、検診にいくと、赤ちゃんは元気になっていました。
その時、赤ちゃんがんばってお母さんのお腹にしがみついていてくれたんだね、ありがとう。という気持ちで胸がいっぱいになりました。ホッとして涙があふれてきました。
その後も第一子の時は血糖値の検査に引っかかったり、つわりがものすごくひどくて体重が激減したり、後期になると後期つわりや、お腹の張りがひどかったりと妊娠中のトラブルは絶えませんでした。
しかし、無事に予定日4日後には元気な産声を上げて誕生してくれました。
その後の職場復帰ですが、育児が想像をはるかに超える忙しさで、しかも私自身が少し産後うつのような状態になってしまい、結局職場復帰はするタイミングを見失ってしまいできませんでした。
でもその分娘との時間をたっぷり過ごすことができたし、今でも専業主婦ですが、子どもたちと楽しい時間を過ごすことができているので、結果的によかったなと思います。
あの時もしも、切迫流産の時に仕事をやめていなかったら、娘は生まれていなかったかもしれません。
今の幸せはなかったかもしれません。
そう思うと、仕事もしたい気持ちを振り切って、退職することにして正解だったなと心から思います。
仕事は探せばいくつになってもできます。でも妊娠出産にはタイムリミットがあります。
そして授かったその命は、代わりはありません。その赤ちゃんは一人です。
もしも、仕事と妊娠出産を迷っている方がいたら、そのことを忘れないでほしいと思います。