妊娠中は、様々な体の変化とともに、頭痛に悩まされる方もいらっしゃるかもしれませんね。ズキンズキンと脈打つような「偏頭痛」に加えて、「頭痛がする前に、または頭痛と一緒に、目の前がチカチカする」「光が見える」「視界が霞む」といった、目の症状(閃輝暗点など)が現れて、不安な気持ちになっている方もいるのではないでしょうか。
偏頭痛に伴う目のチカチカは、偏頭痛の「前兆」として知られる症状の一つですが、妊娠中にこの症状が現れた場合は、特に注意が必要な場合があります。 これは、妊娠高血圧症候群などの深刻な状態のサインである可能性もゼロではないからです。
この記事では、妊娠中の偏頭痛で目がチカチカする原因、これが示す可能性のある危険なサイン、そしてこのような症状が現れた時にどう対処すべきかについて、あなたの不安な気持ちに優しく寄り添いながら、分かりやすくお伝えします。さらに、妊娠中の頭痛や目の症状に関するよくある疑問にもQ&A形式でお答えします。
目のチカチカを伴う頭痛を経験した場合は、決して自己判断せず、必ずすぐに専門家(かかりつけ医や助産師など)に相談してください。 これがママと赤ちゃんの安全のために最も重要なことです。
- 偏頭痛の「前兆」としての目のチカチカ
- 【重要】妊娠中に「目がチカチカ」を伴う頭痛は要注意!危険なサインの可能性
- 妊娠中の偏頭痛、安全な対処法(医師に相談の上)
- 妊娠中 偏頭痛 目がチカチカに関するQ&A
- まとめ:「目がチカチカ」を伴う頭痛は、迷わずすぐに専門家へ
偏頭痛の「前兆」としての目のチカチカ
偏頭痛は、頭の片側または両側がズキンズキンと脈打つような痛みが特徴ですが、痛みが始まる前に、特定の感覚や症状が現れることがあります。これを「前兆」と呼びます。
- 閃輝暗点(せんきあんてん): 目の前にギザギザした光が現れたり、視野の一部がキラキラしたり、チカチカしたりする症状です。数分から30分程度続き、その後頭痛が始まることが多いです。偏頭痛の前兆として最もよくあるものです。
- その他の前兆: 体の一部がしびれたり、言葉が出にくくなったり、視界が狭くなったりするといった症状が現れることもあります。
偏頭痛持ちの方の中には、これらの前兆を経験する方がいます。妊娠前から偏頭痛持ちで、前兆として目がチカチカする症状を経験したことがある方もいらっしゃるかもしれません。
【重要】妊娠中に「目がチカチカ」を伴う頭痛は要注意!危険なサインの可能性
偏頭痛の前兆として目がチカチカする症状はありますが、妊娠中にこの症状が現れた場合は、特に注意が必要です。 これは、偏頭痛の前兆である可能性に加え、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症とも呼ばれていました)の症状の一つである可能性もゼロではないからです。
妊娠高血圧症候群は、妊娠中期以降に発症することが多い深刻な病気で、高血圧を主な症状とし、ママや赤ちゃんに様々な影響を与える可能性があります。その症状の一つに、視覚の異常(目がチカチカする、光が見える、視界が霞む、二重に見えるなど)や、重度な頭痛があります。
したがって、妊娠中に、目のチカチカや視覚の異常を伴う頭痛を経験した場合は、「いつもの偏頭痛の前兆だろう」「きっとストレスのせいだろう」と自己判断せず、
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【すぐに医療機関へ連絡または受診してください】
以下のサインが見られた場合は、妊娠高血圧症候群などの深刻な状態を示す可能性があり、迅速な医術的な処置が必要です。冷えピタなどで対処しようとせず、必ず専門家の診察を受けてください。
- 頭痛とともに、目がチカチカする、霞む、光が見えるなど、視覚の異常がある
- 今まで経験したことのないような、突発的で急激な頭痛
- 安静にしても、時間経過でも改善しない深刻な頭痛
- 頭痛とともに、右上腹部(みぞおちや肋骨の下あたり)の痛みがある
- 頭痛とともに、顔や手足のむくみが目立つ
- 血圧が高い
- けいれんが起きた
- 意識がもうろうとする
(→妊娠高血圧症候群について詳しくは、妊娠高血圧症候群に関する記事も参考にしてください。)
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これらのサイン、その中でも「目がチカチカする」といった視覚の異常を伴う頭痛を経験した場合は、すぐにかかりつけの産婦人科に電話で連絡し、状況を伝えて指示を仰いでください。 夜間や休日で連絡がつかない場合は、救急外来を受診するなど、躊躇せず医療機関を受診することが、ママと赤ちゃんの心身の安全を守るために非常に重要です。
妊娠中の偏頭痛、安全な対処法(医師に相談の上)
医療的に注意が必要な頭痛ではないと医師に診断された場合、妊娠中の偏頭痛に対する安全な対処法について、医師と相談しながら行いましょう。
- 安静にする: 痛みが深刻な場合は、無理せず静かな場所で横になって休みましょう。
- 暗く静かな場所: 光や音の刺激を避け、部屋を暗く静かにして過ごしましょう。
- 痛む部分を冷やす: 偏頭痛は血管が拡張することで起こると言われています。痛むこめかみや額などを、タオルで包んだ保冷剤や冷えピタで冷やすと、痛みが和らぐことがあります。
- 少量のカフェインを摂る: 医師に確認の上、少量のカフェイン(例: 薄めのコーヒーや紅茶一口程度)が効果的な場合があります。飲みすぎには注意。(→妊娠中のカフェイン摂取量に関する記事も参考に)
- 十分な水分補給: 脱水も頭痛の原因となることがあります。こまめに水分を摂りましょう。
- 医師に相談して妊娠中に使用しても大丈夫な痛み止めを処方してもらう: 我慢できないほどきつい痛みの場合は、医師に相談し、妊娠中でも安全に使用できる痛み止めを処方してもらいましょう。自己判断での市販薬の使用は避けてください。
妊娠中 偏頭痛 目がチカチカに関するQ&A
妊娠中の偏頭痛と目のチカチカについて、妊婦さんが抱きやすい疑問にお答えします。
- Q1:妊娠前から偏頭痛持ちで、目がチカチカする前兆がありました。妊娠中も同じ症状が出たら、いつもの偏頭痛と思って大丈夫?
- A1:妊娠前から偏頭痛の前兆として目がチカチカする症状があったとしても、妊娠中にこの症状が出た場合は、必ず医療機関(かかりつけの産婦人科など)に相談してください。 妊娠高血圧症候群などの深刻な病気のサインである可能性を、自己判断で否定することはできません。安全のために、必ず医師に診察してもらいましょう。
- Q2:頭痛はないけど、たまに目の前がチカチカしたり、光が見えたりすることがあります。これも危険なサイン?
- A2:頭痛を伴わない目のチカチカや視覚の異常も、妊娠高血圧症候群やその他の医学的な問題が原因である可能性が考えられます。頭痛がなくても、視覚の異常を感じた場合は、念のため医療機関(かかりつけの産婦人科または眼科医など)に相談してください。 早期発見・早期対応が大切です。
- Q3:妊娠中に偏頭痛がひどくなりました。赤ちゃんに影響しませんか?
- A3:妊娠中の偏頭痛自体が、直接的にお腹の赤ちゃんに悪影響を与えるということは、多くの場合考えにくいです。しかし、その痛みが続いたり、ママが偏頭痛によってストレスを強く感じたりすることは、ママ自身の体調にとって良くありません。また、頭痛の背景に、医療的な問題(妊娠高血圧症候群など)が隠れている場合は、そちらが赤ちゃんに影響を与える可能性があります。我慢するのがつらい頭痛は我慢せず、必ず医師に相談し、適切な対処を受けることが大切です。
まとめ:「目がチカチカ」を伴う頭痛は、迷わずすぐに専門家へ
妊娠中の偏頭痛で目がチカチカする症状は、偏頭痛の前兆として知られていますが、妊娠中にこの症状が現れた場合は、妊娠高血圧症候群などの深刻な病気のサインである可能性があり、特に注意が必要です。
「目がチカチカする」「視覚の異常がある」といった症状を伴う頭痛を経験した場合は、決して自己判断せず、すぐに医療機関(かかりつけの産婦人科など)に連絡または受診してください。 これが、ママと赤ちゃんの safe ty を守るために最も重要なことです。
医学的に問題ない偏頭痛と診断された場合は、安静、冷却、暗く静かな場所での休息といった対処法を医師と相談しながら行いましょう。本当につらい痛みの場合は、医師に相談して妊娠中でも使うことのできる安全な痛み止めを処方してもらうことも可能です。
「目がチカチカ」というサインを見逃さず、少しでも不安を感じたら、迷わず専門家を頼ってください。妊娠期間を安心して過ごすために、あなたの体の声に耳を澄ませましょう。心から応援しています!
すでに偏頭痛に悩んでいて、この記事をご覧になってくださった妊婦さんへ。
痛みがつらいのに見てくださってありがとうございます。
少しの頭痛ならほおっておいても大丈夫。。。でも、、、そんな思いを抱きながら見てくださったと思います。検診時でもいいので、かならず担当医師や産婦人科医さんに相談してください。
偏頭痛だから大丈夫だろうといった感情が、日々ストレスになっていき、その後にいろいろな悪影響に・・・そうなる前に対処を考えていきましょう!