妊娠中は、体の変化やつわり、ホルモンの影響などにより、普段よりも熱中症になりやすい状態です。お腹の赤ちゃんのためにも、ママが体調を崩さないことが何より大切。夏の暑い時期を安全かつ快適に過ごすための、妊娠中の熱中症対策をしっかりと行いましょう。
年々夏の日差しや温度の上昇、そこに日本特有の湿気の多さなどが加わることで、妊婦さんだけではなく年配の方や子供まで熱中症や夏バテが多くなっています。
お腹の中に大事な赤ちゃんがいるだけにしっかりと熱中症対策をしていきましょう。
妊婦さんが熱中症になりやすいのはなぜ?
妊娠すると、体内の血液量が増えたり、胎盤を通して赤ちゃんと体温をやり取りしたりするため、基礎体温が通常より高めになります。また、妊娠週数が進むにつれてお腹が大きくなり、体の熱をうまく逃がしにくくなることもあります。つわりによる水分不足や、むくみを気にして水分摂取を控えてしまうことなども、脱水症状を引き起こし、熱中症のリスクを高める要因となります。
妊娠中の熱中症予防策
お腹の赤ちゃんを守るためにも、積極的に熱中症対策に取り組みましょう。
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こまめな水分補給を最優先に: 喉が渇く前に、少量ずつでも頻繁に水分を摂ることが非常に重要です。水や麦茶など、カフェインを含まない飲み物を選びましょう。つわりで水分を摂るのが難しい場合は、かかりつけの医師に必ず相談してください。
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暑さを避けて過ごす: 日中の気温が高い時間帯(特に10時~14時頃)の外出はできるだけ避けましょう。外出する際は、日陰を選んで歩いたり、帽子や日傘を活用したりします。室内でも油断せず、エアコンや扇風機を適切に使用して、涼しい環境を保ちましょう。
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通気性の良いゆったりとした服装を: 体に熱がこもりにくいよう、通気性や吸湿性に優れた綿などの天然素材や、機能性素材の服を選びましょう。締め付けの少ないゆったりとしたデザインがおすすめです。下着も同様に、汗を吸いやすい素材を選びましょう。
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無理せず休息をとる: 疲れを感じたら、すぐに横になるなどして体を休めましょう。睡眠不足は熱中症のリスクを高めます。夜間もエアコンなどを適切に使い、快適な睡眠環境を整えることが大切です。
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バランスの取れた食事: 食事からもしっかりと水分やミネラルを補給できます。夏野菜など、水分やミネラルを豊富に含む食材を献立に取り入れるのも良いでしょう。
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体の変化に注意する: めまいや立ちくらみ、強いだるさ、吐き気、頭痛などは熱中症のサインかもしれません。これらの症状が現れたら、涼しい場所に移動し、体を冷やして水分を摂り、無理せず休息しましょう。症状が改善しない場合は、ためらわずに医療機関に連絡してください。
妊娠中の熱中症対策に関するQ&A
Q1:妊娠中に飲んでも安全な飲み物はありますか?
A1:水や麦茶など、カフェインを含まない飲み物がおすすめです。カフェインを多く含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)は控えめにしましょう。スポーツドリンクや経口補水液は塩分や糖分を含むため、大量に日常的に飲むのは避け、汗をたくさんかいた時などに適量を飲むようにしましょう。
Q2:つわりで水分をうまく摂れません。どうすれば良いですか?
A2:つわり中は、一度にたくさん飲めなくても、少量ずつ頻回に飲むことを試してみましょう。冷たい飲み物より常温や少し冷たい飲み物の方が飲みやすいこともあります。ゼリー飲料や果物など、水分を多く含む食品から水分を補給する方法もあります。水分が全く摂れない場合や、脱水のサイン(尿が出ない、口が渇くなど)が見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
Q3:部屋にエアコンを一日中つけていても大丈夫ですか?
A3:はい、熱中症予防のためには適切にエアコンを使用することが推奨されます。室温を快適な温度に保ち(目安は26~28℃程度)、除湿も活用すると良いでしょう。ただし、冷えすぎには注意し、体が冷える場合は薄着の上に羽織るものなどで調整しましょう。直接エアコンの風が体に当たらないように風向きを調節することも大切です。
Q4:妊娠中のマイナートラブルと熱中症のサインを見分けるのが難しいです。
A4:妊娠中のマイナートラブル(めまい、立ちくらみ、吐き気など)と熱中症の初期症状は似ていることがあります。暑い環境にいた後にこれらの症状が出た場合は、熱中症を疑って対応することが重要です。涼しい場所に移動し、水分補給と休息をとり、症状が改善するか様子を見ましょう。判断に迷う場合や症状が重い場合は、迷わず医療機関に相談してください。
Q5:夏の妊婦健診に行くのが暑くて大変です。何か対策はありますか?
A5:予約時間より早めに家を出て、急がず移動しましょう。日傘や帽子、携帯扇風機、冷却シートなどを活用し、水分も必ず持参してこまめに補給します。タクシーを利用するなど、無理のない移動手段を選ぶことも検討しましょう。病院に到着したら、水分を摂り、涼しい場所で休んでから受付をしてください。
まとめ
妊娠中の熱中症は、ママとお腹の赤ちゃんにとってリスクとなります。こまめな水分補給、暑さを避ける工夫、適切な服装、そして十分な休息を心がけ、日々の体調管理をしっかりと行いましょう。体の変化に注意し、少しでも体調がおかしいと感じたら、無理せず休むこと、そして必ず医療機関に相談することが大切です。安全に、そして快適に夏の妊娠期間を過ごしてください。
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