妊娠中のママの体は、新しい命を育むために大きく変化します。ホルモンの影響で、普段は食べないものが無性に食べたくなったり、特定のものに強い食欲が湧いたりする「食べづわり」を経験する方も少なくありません。馬刺しも、その一つとして「食べたい…!」という衝動に駆られるプレママがいるかもしれませんね。ここでは、その「食べたい」という気持ちに寄り添いながら、いかに安全な選択で心を満たすか、という視点でお伝えします。
「食べたい」という心の声に耳を傾ける
「馬刺しが食べたい」という思いは、もしかしたら、単なる味覚だけでなく、「出産後の楽しみを想像する」、「体が鉄分を求めている」、「美味しいものを食べてリラックスしたい」といった、様々な心の声の表れかもしれません。
まずは、その「食べたい」という気持ちを否定せず、優しく受け止めてあげましょう。
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「ああ、馬刺し、美味しいよね。今、体が求めているのかな。」
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「出産したら、絶対に食べに行こうね!」
そう自分に語りかけるだけでも、少し心が落ち着くことがあります。
安全な「食べたい」を見つける心の旅
馬刺しそのものを生で食べることは、トキソプラズマやリステリア菌などのリスクがあるため、妊娠中は控えるべきです。しかし、その「食べたい」という気持ちの根源を探り、安全な形で代用できるものを探してみましょう。
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1.「食感」を求めている?:
もし、生肉独特のしっとりとした食感や歯ごたえを求めているなら、十分に火を通した鶏むね肉を薄切りにして冷やしたものや、牛肉のたたき(中心部までしっかり加熱されたもの)、あるいは豆腐やこんにゃくを薄切りにして工夫したものなどが代用になるかもしれません。
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2.「鉄分」を求めている?:
馬肉には鉄分が豊富に含まれています。もし体が鉄分を求めているなら、赤身の牛肉や豚肉、レバー(加熱調理したもの)、ほうれん草、小松菜、プルーンなどのドライフルーツから安全に摂取できます。美味しく鉄分を補給できるレシピを探してみましょう。
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3.「ご褒美感」を求めている?:
特別なものを食べたいという「ご褒美感」を求めているなら、安全な範囲で、ちょっと贅沢な食材を使った料理を試してみましょう。例えば、新鮮な魚介類をしっかり加熱して使ったパスタ、高級なフルーツ、オーガニック野菜を使った彩り豊かなサラダなど、いつもよりワンランク上の食事で気分を上げてみてください。
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4.「香り」を求めている?:
もしかしたら、馬肉独特の香りや風味を求めているかもしれません。その場合は、香りの良いハーブやスパイスを使った料理を試してみるのも良いでしょう。ただし、妊娠中に避けるべきハーブもありますので、事前に確認が必要です。
妊娠中の「食べたい」は、赤ちゃんからのメッセージでもあります。安全な選択肢を探しながら、上手に食欲と向き合い、心も体も満たされる食事を楽しんでくださいね。そして、出産後の「ご褒美」リストに、馬刺しを一番に加えておきましょう!
妊娠中 馬刺しに関するQ&A
Q1:妊娠中に食べる「肉」は、どのように調理すれば安全ですか?
A1:妊娠中に肉を食べる際は、中心部までしっかりと火が通っていることを確認してください。肉の色が完全に変わり、透明な肉汁が出るまで加熱するのが目安です。特にひき肉は、表面だけでなく内部までしっかり火を通す必要があります。調理器具やまな板も、生肉用と加熱済み肉用で使い分けるか、使用後にしっかりと洗浄・消毒しましょう。
Q2:馬刺しではないですが、無性に焼き肉の「レバー」が食べたい時があります。これも避けるべきですか?
A2:焼き肉のレバーは、中心部までしっかりと加熱すれば食べても大丈夫です。レバーは鉄分が豊富なので、貧血予防には良い食材です。ただし、ビタミンAの過剰摂取のリスクがあるため、食べ過ぎには注意が必要です。特に妊娠初期は、ビタミンAの過剰摂取が胎児に影響を及ぼす可能性があると言われています。少量を楽しむ程度に留めましょう。
Q3:生ハムやスモークサーモンも妊娠中はNGと聞きましたが、加熱すれば食べられますか?
A3:はい、生ハムやスモークサーモンも、十分に加熱すれば食べても大丈夫です。例えば、生ハムをピザのトッピングにして焼いたり、スモークサーモンをパスタに入れて火を通したりするなど、加熱調理してから食べるようにしましょう。リステリア菌は加熱によって死滅します。
Q4:トキソプラズマ感染症は、加熱調理以外に予防方法はありますか?
A4:はい、いくつか予防方法があります。
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生肉を扱った後は、石鹸でしっかり手を洗う。
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生肉を調理したまな板や包丁は、他の食材に使う前にしっかり洗浄・消毒する。
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ガーデニングなど土を触った後は、手袋をして、その後もしっかり手を洗う。
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猫の糞便からも感染することがあるため、猫を飼っている場合は、トイレの掃除を家族に任せるか、使い捨て手袋をして行う。
といった点に注意しましょう。
Q5:出産後、いつから馬刺しを安全に食べられますか?
A5:出産後であれば、母乳育児をしている場合でも、基本的に馬刺しを食べること自体は問題ありません。ただし、体力が回復していない時期なので、無理のない範囲で、体調と相談しながら楽しんでください。アルコールと一緒に楽しむ場合は、飲酒量にも注意しましょう。もし心配なことがあれば、産後の健診で医師や助産師に相談してみてください。
まとめ
妊娠中の「馬刺しが食べたい」という気持ちは、ママの体が発する様々なメッセージかもしれません。しかし、赤ちゃんの安全を最優先に考え、生肉は避けるのが賢明です。その代わり、安全な食材で「食べたい」を満たしたり、出産後のご褒美として楽しみに取っておくことで、心も体も健やかに妊娠期間を過ごすことができます。あなたの体の声に耳を傾け、安全な選択で心を満たし、赤ちゃんとの新しい生活に備えてくださいね。
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