妊娠中のママさん、出産後の抱っこや、日々のお世話に備えて「腕の筋力をつけたいな」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、お腹が大きくなるにつれて、従来の腕立て伏せは難しくなりますよね。そこで今回は、大きなお腹を安全に守りながら、出産・育児に必要な腕力を効果的に養える「逆腕立て伏せ」をご紹介します。正しい方法で行って、未来のママライフを快適に過ごしましょう!
逆腕立て伏せ、なぜ妊婦さんにおすすめ?
逆腕立て伏せ(リバースプッシュアップ)は、椅子や段差を使って体を支え、上腕三頭筋(二の腕の裏側)を重点的に鍛えるエクササイズです。妊婦さんにとって特に嬉しいポイントは以下の通りです。
- お腹に負担がかからない: うつ伏せにならず、立った状態や座った状態で行うため、大きなお腹を圧迫する心配がありません。
- 上腕三頭筋をピンポイントで強化: 産後の抱っこやベビーカーの持ち運びなど、日常生活で使う腕の裏側の筋肉を効果的に鍛えられます。
- 姿勢の改善にも貢献: 腕の筋肉がつくことで、授乳時などの姿勢が安定し、肩や背中への負担軽減に繋がります。
- 手軽に自宅でできる: 特別なトレーニング器具が不要で、安定した椅子があればどこでも行えます。
ただし、必ずかかりつけの医師に相談し、許可を得てから行うようにしてください。痛みを感じたらすぐに中止しましょう。
安全に効果的に!逆腕立て伏せのやり方
1.椅子を使った逆腕立て伏せ(チェアディップス)
自宅にある安定した椅子や、丈夫なソファの縁を使って行います。滑らないよう、十分に注意してください。
- 準備: 椅子を用意し、滑らないか確認します。
- 姿勢:
- 椅子の縁に、肩幅よりやや広めに両手をつきます。指先は前を向けるか、少し外側に向けます。
- ひざを90度に曲げ、かかとを床につけます。お尻は椅子の縁から少しだけ離します。
- 背筋を伸ばし、お腹を軽くへこませて体幹を意識します。
- 動作:
- ゆっくりとひじを曲げ、お尻を床に近づけていきます。この時、ひじは体の後ろに引くように意識し、外側に開かないように注意します。上腕三頭筋の伸びを感じましょう。深く下ろしすぎず、無理のない範囲で。
- 上腕三頭筋を意識しながら、ゆっくりと元の位置に戻します。お尻を椅子の高さまで持ち上げます。
- これを10回〜15回繰り返します。2〜3セット行いましょう。
- ポイント:
- 呼吸を止めずに、力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うようにしましょう。
- 体がぐらつかないように、安定した状態で行うことが大切です。
- お腹を締め付けすぎず、ご自身の体調に合わせて負荷を調整してください。
2.壁を使った逆腕立て伏せ(壁ディップス)
椅子を使うのが難しい場合は、壁を使ってさらに安全に行えます。負荷は軽めですが、初心者の方におすすめです。
- 方法:
- 壁に向かって立ち、両手を肩幅くらいに開いて壁につきます。
- 足を壁から一歩〜二歩離して立ち、体を斜めにして支えます。
- ゆっくりとひじを曲げ、頭を壁に近づけていきます。
- 上腕三頭筋を意識しながら、ゆっくりと元の位置に戻します。
- これを10回〜15回繰り返します。2〜3セット行いましょう。
- ポイント: 壁から離れるほど負荷が高まります。ご自身の体力に合わせて距離を調整してください。
Q&A:妊娠中の安全な筋力トレーニング
- Q1:妊娠何週からこのトレーニングを始めても安全ですか?
- A1:一般的には、安定期に入ってから(妊娠16週頃〜)、体調が良い時に始めるのが推奨されます。しかし、妊娠の経過は個人差が大きいため、必ずかかりつけの医師に相談し、許可を得てから行うようにしてください。
- Q2:運動中にお腹が張る感じがしたら、すぐに中止すべきですか?
- A2:はい、お腹が張ったり、痛みを感じたりした場合は、すぐに運動を中止し、楽な姿勢で安静にしてください。症状が続くようであれば、産婦人科を受診しましょう。
- Q3:毎日この運動を続けても大丈夫ですか?
- A3:筋肉には回復期間が必要です。毎日行うよりも、週に2〜3回、間に休息日を設けて行う方が、効果的で安全です。無理のない範囲で継続することが大切です。
- Q4:体が硬くて、ひじを深く曲げられません。どうすればいいですか?
- A4:無理に深く曲げる必要はありません。まずはご自身の可動域で、無理のない範囲から始めましょう。継続することで、徐々に可動域も広がり、筋肉もついてきます。焦らず、少しずつレベルアップしていきましょう。
- Q5:出産後、この運動はいつから再開できますか?
- A5:産後の体の回復は個人差が大きいため、必ず医師に相談して許可を得てから再開してください。一般的には、産褥期が終わる1ヶ月健診以降に、軽い運動から始めることが推奨されます。
まとめ
妊娠中に逆腕立て伏せを取り入れることは、出産後の抱っこや、忙しい育児を力強く乗り切るための、ママの体づくりにおいてとても有意義な準備です。ご紹介したエクササイズは、お腹に負担をかけにくいものが中心ですが、何よりもご自身の体調を最優先に考え、無理なく行うことが大切です。痛みを感じたらすぐに中止し、少しでも不安なことがあれば、かかりつけの医師や助産師さんに相談してくださいね。完璧を目指すのではなく、ご自身のペースで、楽しく体を動かすことが一番です。赤ちゃんとの笑顔あふれる新しい生活を、健やかな体で迎えられるよう、心から応援しています!