今回も妊娠中に困った体験談シリーズをお送りいたします。
今回のテーマはタイトルの通り『つわり』についてです。
一般的には妊娠初期から安定期に入る頃までが『吐きづわり』のピークと言われていますが、今回の体験談を送って下さった方は、安定期に入ってもつわりが治まることはなく、妊娠前は大好きだった甘いものも食べられなくなったそうです。
そんな『吐きづわり』から救ってくれたありがたい存在が梅干しだったそうなのですが、それも普通の梅干しではなかったそうです。
今回の体験談はつわりの原因から苦手なニオイやどのくらい食べられなくなったのかという症状。そして『普通とはちょっと違うタイプの梅干し』はいったいどんなものなのか一緒に見て行きましょう。
つわりに苦しめられたわたしの妊娠生活
私のつわりは、妊娠4週目頃から始まりました。
ドラマなどでよくある、突然吐き気をもよおすといったものではなく、最初は胃に軽い不快感がある程度でした。しかしだんだんと食が細くなり、妊娠5週目に入ると、わずかに食べたり飲んだりしたものでも、吐くようになりました。
そして妊娠6週目頃から、食べ物も飲み物も、ほとんど受け付けなくなりました。
つわりの原因を調べてみたら・・・
つわりについて調べたところ、
「お腹の赤ちゃんを異物とみなして、体が拒否反応を起こすことが原因」
とありました。
正しくは、妊娠したことでホルモンバランスが変化し、それに体がついていけないことが原因です。
私はそれを知り、心底悲しくなりました。せっかく宿ってくれた命を、自分の体が否定しているわけです。赤ちゃんを拒否している自分の体が、情けなくて仕方がありませんでした。
無事に出産した今は、体の構造上、つわりはむしろ必要なことと思うことができていますが当時の私は、宿った命に対する申し訳なさで、母親になる資格がないとまで思い詰めていました。
わたしのつわりの症状を心配してくれた夫が買ってきてくれた物も・・・
夫はそのような私をとても心配し、私の好きなスイーツや漫画を買ってきてくれました。
しかし私の体は、好物でも受け付けませんでした。漫画も、紙やインクの匂いが辛くて、読むことができませんでした。新聞には独特の匂いがありますが、つわりの時の私には、漫画からその数十倍もの強さの匂いが感じられたのです。
夫のせっかくの気遣いすら受け入れることができず、私は申し訳なさで、ますます落ち込みました。
つわりの症状で困ったことは歯磨きができなくなったこと
また、食事だけでなく私は、歯磨きもできなくなりました。歯磨き粉の匂いや味も、歯ブラシを口に入れることも、受け付けなくなったのです。水も生臭く感じるので、うがいも困難でした。
吐いている上に、歯磨きもうがいもしないのですから、当時の私は口臭がひどかったことと思います。それが恥ずかしく、私は夫と顔を合わせることも嫌になりました。
わたしをつわりの苦しみから救ってくれた梅干し
しかし私のこのような苦しみは、実家の母が送ってくれた梅干しによって解消されました。
梅干しといっても、お弁当などによく入っている柔らかい梅干しではありません。梅干しから種を抜いて、砂糖をまぶして干したものです。
封を切った時に、梅の酸っぱい匂いと砂糖の甘い香りとが漂ってきました。
この匂いには、体は不思議と拒否反応が出なかったんです。
恐る恐る口に入れてみたところ、甘酸っぱい風味が口の中で広がりました。すると、やはり体はこれをすんなりと受け入れてくれました。
吐き気どころか不快感も、全く起こらなかったのです。
やっと赤ちゃんに対して栄養補給ができると、私は嬉しくなりました。そしてその梅干しを、積極的に食べるようになりました。
とはいえ、もちろん大量に食べたわけではありません。干物のようなものなので、口の中に入れると、唾液を吸収しながら味を長時間出し続けます。そのため私は、ひとつを数十分かけて食べていました。1日に食べる量はせいぜい5~6個なので、塩分や糖分の過剰摂取にはなっていなかったと思います。
つわりが梅干しで解消する仕組みと効果
しかも梅干しには、吐き気を抑える作用もあります。梅干しに含まれているクエン酸が、胃の粘膜を守ってくれるからだそうです。二日酔いには梅干しが良いとよく聞きますが、それもクエン酸の働きによるものなので、そういった働きが関係しているのでしょう。
おかげで私のつわりは、少しずつ治まってきました。きなこをまぶしたわらび餅など、さっぱりとした食べ物なら、食べることができるようになったのです。漫画も、顔にあまり近づけなければ読めるようになりました。
また梅干しには、殺菌作用と消臭作用もあります。歯磨きやうがいができなかった私には、このこともとてもありがたかったです。梅干しを毎日長時間口に入れていれば、それだけで口腔内の雑菌が撃退され、口臭が減ると思えたからです。
実際、夫から口臭について指摘されたことはありませんでした。
また、全く歯を磨いていなかったにもかかわらず、妊娠中には虫歯になりませんでした。正確な因果関係は分かりませんが、私はこれらは全て、梅干しのおかげだと思っています。
つわりを乗り越えたあとは精神的にも楽になり余裕が・・・
栄養補給ができ、漫画による気晴らしもでき、口臭の悩みも減ったことで、私の心身はどんどん楽になっていきました。妊娠7ヶ月に入った頃には、吐き気がほとんどなくなり、食事も歯磨きも問題なく行えるようになりました。
つわりによって体重は10キロ近く減ってしまったのですが、その後は徐々に増えていきました。そして7キロほど増えたところで、出産となりました。
栄養不足だったでしょうに、赤ちゃんは五体満足の完全な健康体で生まれてきてくれました。私の体に蓄積されていた栄養分を使って、何とか成長してくれたのだと思います。
その分私の体重が大幅に減りましたが、無事に出産できた上にスリムになれたわけですから、結果オーライです。
出産後は多少の産後太りはありましたが、つわりで痩せすぎだったので、全く気になりませんでした。自分で言うのも何ですが、周囲が羨むほどの細身のママでした。
そのため今ではむしろ、つわりは、キレイなママにするための赤ちゃんの頑張りだったもかもしれないと思えています。
つわりになると起こる体の変化
つわりは妊娠3ヶ月目あたりから様々な症状が現れてきます。
胸焼け・胃痛
妊娠すると消化機能も速さが停滞するので、食べ物が胃の中に留まる時間も長くなります。
そのため、胸焼けや胃痛になりやすいのです。
嘔吐・吐き気
これはつわりの中でも代表的な症状で、妊娠初期のお母さんは50%から80%が経験すると言われています。
頻尿
子宮が大きくなり、膀胱が押され負担がかかるためトイレが近くなります。
疲労感・めまい・だるさ
吐き気や食事があまり取れなくて出て来る症状になります。
便秘・下痢
つわりで動けなくて運動不足になったり、ストレスで自律神経が乱れると便秘や下痢の原因になります。
皮膚が荒れる
ホルモンバランスが変化するため、乳頭や脇の下などが黒ずみやすくなります。これは産後にまた元の色に戻るので心配することはないでしょう。
今回のつわり体験談の症状と原因・解決策のまとめ
今回のつわりに悩まされた体験談からつわりを乗り越えるポイントをまとめてみてみたいと思います。
つわりの症状は吐き気そのもの自体もつらいのですが、食べものを受け付けられなくなってしまうことで、お腹の赤ちゃんに対して栄養補給ができなくなってしまうことの心配が出てきてしまいます。
また、それが自分自身のホルモンバランスの変化が原因で免疫機能が誤作動することで拒否反応を起こしていることが原因であるというのが主な有力説なのですが、それを知ると余計に『お腹に新しく宿った命を受け付けない自分の身体を呪ってしまう精神的な焦りと不安』まで出てきてしまうというのが一番つらいことなのかも知れません。
妊娠中のつわりを解消するには梅干しがおすすめというのは比較的良く聞くことではありますが、実際に先ほどのような『精神的にまで追い詰められた状況』になってしまうとそういった知恵も出てきにくくなってしまうのではないかと思います。
つわりが梅干しで解消するというのは『先人の知恵』ですが、決して侮ることは出来ませんね。