今回は妊娠中に注意が必要な『身体を冷やしやすい飲み物』について一緒に見て行きたいと思います。
というのも、妊娠中はホルモンバランスの変化で上半身が特に熱く感じることで身体を冷たい飲み物で冷ましたいと感じる方が多く、実はそれがお腹の赤ちゃんにとってもママ自身の身体にとっても悪影響を及ぼしてしまう危険性があるからなんです。
では、始めになぜ妊娠中は暑苦しく感じるのかというそもそもの部分から見て行きましょう。
妊娠中はなぜ暑苦しく感じるの?
妊娠中に暑苦しく感じるのは冒頭でも触れた通り、ホルモンバランスの変化によるものが一番大きな要因です。生理周期でもプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増える生理前の10日間くらいの期間(この期間には個人差があります)が基礎体温が高い黄体期(おうたいき)と呼ばれる時期です。
妊娠中は基本的に子宮内膜を厚みがあって胎盤がしっかり定着する安定した状態を作るためにプロゲステロンの分泌量が増える仕組みになっているので、どうしても生理前の高温期と同じ身体の状態が長く続くことになるんです。
だからと言って冷たい飲み物や身体を冷やしやすい飲み物をガブガブ飲むというのは良くない事なんです。その理由を次に見て行きましょう。
妊婦が身体を冷やしちゃいけないと言われる理由
妊娠中に産婦人科の定期健診でも良く言われる『身体を冷やしちゃいけないですよ』という理由は次のようなリスクがあるからです。
- むくみやすくなる
- 太りやすくなる(体重増加リスク)
- 血管収縮で血流が停滞化、高血圧症候群になりやすい
- 子宮収縮を起こしやすい(特に妊娠後期)
- 赤ちゃんの成長を阻害しやすい
- 逆子になりやすい
- 難産になりやすい
ざっと並べるだけでもこれだけのリスクがあるのが『妊婦が身体を冷やしちゃいけない』と言われる理由です。とはいえ妊娠中は前述の通り『身体が暑苦しいのでなんとかしたいよね!』と感じるのはもっともなことなので、この点についても後ほどご紹介したいと思います。
まずは、そんな妊娠中で『がぶ飲みすると危険な身体を冷やしやすい飲み物』をリストアップしてご紹介しますので一緒に見てみましょう。
妊娠中に危険な『身体を冷やしやすい飲み物』は?
妊娠中に注意が必要な『身体を冷やしやすい飲み物』をリストアップしておきたいと思います。結構、身近な飲み物が身体を冷やしてしまうんだ・・と改めて驚く方も多いと思います。
- コーヒー
- 玉露茶
- 緑茶
- 抹茶
- 牛乳
- 水
- 豆乳
- 麦茶
これらの飲み物は身体を冷やすリスクが高いので注意が必要と言われるのですが、最初の方を見ると『カフェインが含まれている飲み物』があることがお分かり頂けると思います。なので、普段からカフェインを避けるようにしていると『“半分くらい”は身体を冷やしてしまう飲み物のリスクを避けていることと一緒』ということになるのですが、カルシウムが摂れるから自分の身体にも赤ちゃんにも良いと言われる牛乳が意外と身体を冷やしやすい飲み物だったというのを見て驚きの方は多いんじゃないでしょうか。
また、夏になると外から帰ってきたときにまずは冷蔵庫を開けて飲みたい『麦茶』も身体を冷やしやすい飲み物です。カフェインは含まれていないので妊娠中に水分補給で飲んでいらっしゃる方も多いと思うのですが、あまり飲み過ぎたり、ガブガブと一気飲みしたりするのは考えものです。
妊娠中の水分補給におすすめな身体を温める飲み物
先ほどは身体を冷やしやすい飲み物を一緒に見てきました。なので反対に身体を温めてくれる飲み物も一緒に見て行きましょう。
しょうが湯
- 黒豆茶
- ゴボウ茶
- たんぽぽ茶
- プーアール茶
- ウーロン茶
- 紅茶
- 番茶
- ココア
これらの飲み物は『基本的に身体を内側の芯から温めてくれる働きがある飲み物』です。ただし、このリストの後半に登場するウーロン茶、紅茶や番茶、ココアについてはやはり『カフェインが含まれる飲み物』なので毎日何回も繰り返したくさん飲むというのはあまりおすすめ出来ません。
ですが、気分転換のちょっと飲むだけとか一息入れたい時に飲むだけというならおすすめです。特に妊娠後期にお腹が大きくなって息苦しく感じる・・なんていう時にちょっとした気分転換で飲んだりすると水分補給になり、なおかつ身体を芯から温めてくれるのはうれしいですね。
でもやっぱり暑苦しく感じるのはツライ!どうすれば良い?
この部分は感じ方に個人差があるため、共感できる方だけ読んでいただければと思います。妊娠中のホルモンバランスの変化によるものということは分かっていても『やっぱり暑苦しく感じてつらい!なんとかしたい・・』という方もいらっしゃるかと思います。
そこで具体的&簡単でお金も掛からない方法に絞ってご紹介しますね。
- 首筋を冷やす
- 目の周り・おでこを冷やす
- ワキを冷やす
この三つの方法があります。中でも一番限定的で安全性が高い身体の冷やし方は目の周りとおでこを冷やすことです。目の周りやおでこは上半身の中でも特に暑苦しく感じやすい部位でこの辺りに『熱がこもっている状態』だとつらく感じるのも無理はありませんね。風邪をひいた時に熱を測るのもおでこに手を当てると分かるくらいですし、『のぼせるような感覚がツライ』と感じるのに近いと言えると思います。
この辺りであれば、人間の身体の根本的な必要条件である『頭寒足熱(ずかんそくねつ)』(頭は冷やして脚・足は温めろという故事に由来しているそうです)にもかなっているので安全性は一番高いと言えます。
冷やしタオルを冷蔵庫で作っておいてこの辺りに当てておくのが一番お金も掛からない方法ですが、ちょっとコストをかけるなら『冷えピタ』や『メントール配合の冷却シート』を当てておくというのも悪くない方法かと思います。
こういった工夫でいろいろな身体の変化が起こる妊娠中を快適に過ごすようにしましょうね。