妊娠して、赤ちゃんの成長と共に安定期に入ると途端に体重が増えて妊婦健診が怖くなった・・・なんていう経験をする方はたくさんいます。またそんな困ったことにならなかったという方もお腹の赤ちゃんのためにバランスの良い栄養補給をできれば添加物などの心配のない「普段の食事」から摂りたいという方も多いかと思います。
妊娠中はダイエットなんてもってのほか!というのは昔の話で、今は妊娠中の太りすぎのリスクが重大な病気や赤ちゃんと自分自身の命にも関わりかねないことが分かっています。
ですが、ただ太らなければ良いというものではないことが大切で、お腹の赤ちゃんのための栄養をちゃんと摂らなければいけませんし、かと言って体重管理を気にしすぎてストレスをため込んでしまうのはお腹の赤ちゃんのためにも避けたいところです。
そこで今回は、妊娠中ダイエットに役立つ献立を一緒に見て行きながら、わたし自身の体験談もお話したいと思います。
まずは妊娠中のダイエットを健康的にするためのおすすめの献立だけではなく食べ方についても見て行きましょう!
妊娠中の体重管理ダイエットは大切だけど・・・
妊娠中には体重管理ダイエットが大切になるというのは今では常識ですよね。
ですが、妊娠前のように「食べなきゃ痩せるよね・・・」というような安易な「食べない系ダイエット」は非常に危険です。
妊娠中に体重が急激に増えるのは、妊娠中期~後期にかけてで、その時期は赤ちゃんの身体ができあがって行く成長期に当たるので、この時期必要な栄養をバランス良くしっかり摂ることができないと低体重児になってしまったり、赤ちゃんの内臓が充分に発達せずに出産を迎えてしまったりするので、免疫力を始めとする身体の維持機能が育たず、生後すぐの弱い時期に感染症になりやすかったり、その後も病気にかかりやすかったりするようになってしまう可能性も出てきてしまいます。
しかも、その影響は赤ちゃんに生涯付いて回る問題になってしまう可能性があるからです。
また、ママの身体も産後の肥立ちが良くなかったり、その後も骨粗しょう症になってしまったりすることもあるんですね。
なので、妊娠中の体重管理ダイエットが大切とは言っても、それはちゃんとバランス良い栄養摂取ができた上での話ということになるんですね。
妊娠中に摂りたい栄養素
妊娠中の体重管理ダイエットには先ほどもご紹介したような栄養摂取が大切です。
中でも重要度が高い栄養素のひとつとして葉酸があげられます。
その理由は、葉酸の持つ働きの「細胞増殖」にあると言われています。
葉酸はわたし達大人でも、毎日200~240μg(0.2~0.24mg)必要とされていますが、妊娠中は初期から後期まで通じて400~450μgが必要とされ、厚生労働省のホームページでも公開されています。
それと、ママにしても赤ちゃんにしても人間の身体は「タンパク質でできている」のでタンパク質は積極的に摂りたいですね。
また、赤ちゃんの骨格を育てるためにカルシウムとマグネシウムを摂ることが大切と言われています。
こういったところを踏まえた上で「ただ単に低カロリーなだけじゃない食事の献立が大切」になるんですね。
妊娠中のダイエットと栄養補給におすすめの献立3選
先ほどもご紹介した通り、妊娠中に摂ることの重要度が高い葉酸がしっかり摂れてなおかつ低カロリーで食べておいしい献立からご紹介して行きたいと思います。
ホウレン草と牛レバーのソテー
この献立のポイントは葉酸がしっかり摂れる牛レバーとビタミンC、タンパク質も一緒に摂ることができます。
作り方はごく普通でとっても簡単ですよ♪
まずは材料から見て行きましょう。
材料
・牛レバー 50g
・ホウレン草 一束
・牛乳 200cc(牛レバーを炒める前のニオイ消しとクセ抜き用)
・ごま油かなたね油小さじ2杯
・ニンニク 適宜
・ショウガ 適宜
・塩 ひとつまみ
・コショウ 微量
・卵 お好みで
作り方
・パックに入った牛レバーを心臓部は小さく切り、血の塊は水で洗って取り除く
・牛レバーを牛乳に漬け込んでニオイとアクを抜く
(漬け込む時間は2時間程度で充分です)
・ホウレン草を食べやすい大きさに切り分ける(3~5cm大)茎と葉に分けておきましょう。
・切り分けたホウレン草を軽く湯がきます。(沸いている熱湯なら30秒で充分です)
・ごま油かなたね油をフライパンに入れて熱しておきましょう。
・油が熱されたらショウガとニンニクを最初に入れて香りを立てておきます。
・牛レバーをパチパチ音がするくらいの火力で火を通します。(この時にしっかり火を通すのが大切)
・レバーに火が通った頃合いでホウレン草を入れて強火のままソテーする。
・味を調えるために塩、コショウ(適宜)を加えて30秒ほどソテーして完成です。
この献立のポイント
この献立のポイントはレバー特有のニオイが苦手という方でも食べやすくするためにレバーを炒め始める前に熱した油にニンニクとショウガを加えて「香りを充分に立てておく」という点です。
そして、レバーの下ごしらえでも牛乳に漬け込んでおくことでレバー特有のクセが抑えられます。
こういった準備と下ごしらえが大切な理由は、最後に味を調える段階で「塩分を控えるため」です。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化で生理中と同じようにプロゲステロンとエストロゲンが両方とも分泌量が増えているので、ほんの少しでも塩分を余分に摂り過ぎてしまうと「むくみやすい体質」になっています。
妊娠中のむくみにつながる塩分の摂りすぎは出来るだけ控えたいので、できる限り食べやすくするためにレバー特有の臭みやクセを抑えて調理することが大切になってくるんです。
次の献立は、カルシウムとマグネシウムがしっかり摂れる料理をご紹介します♪
赤ちゃんの骨格をしっかりさせるためにも産後の肥立ちの良さや骨粗しょう症予防のためにもおすすめですよ♪
鉄分強化&ヘルシー!カツオのペペロンチーノ
鉄分を摂ることは妊娠中にお腹の赤ちゃんにちゃんと栄養を届けるための「血液の質を上げるため」にとても大切です。
妊娠中のダイエットの最中なのにパスタって・・と思われる方もいらっしゃると思いますが、最近では「ポポロパスタの“CarbOFF”(カーボフ)」なんていう麺も市販されているので食べ過ぎさえ注意すれば全然大丈夫ですよ。
作り方もとっても簡単なので、ぜひ試してみてくださいね♪
材料
(低糖質パスタ100gあたり)
・低糖質パスタ 100g ・ライトツナ(缶詰半分) ・小松菜 半束 ・オリーブオイル 大さじ2杯(苦手な方はごま油でも可) ・ニンニク 適宜(市販のチューブでもOK) ・塩、コショウ 適宜(控えめに)
作り方
・低糖質パスタを茹でます。
・ツナ缶の油分を切っておきましょう。
・小松菜を茎と葉に切り分けておきます。
・オリーブオイル(ごま油でも可)をフライパンに入れてニンニクを加え熱して香りを立てておきましょう。
・ゆであがったパスタと具材をフライパンでからめて炒めながら塩、コショウ(量は控えめに)味を調えて完成!
この献立のポイント
この献立のポイントは、低糖質パスタを使うことで糖質を抑えるところとカツオや小松菜で吸収率の高い「ヘム鉄」の補給がしっかりできるところです。
ただし、最後の味を調えるときに塩分を控えめにするところも大切なポイントになってきます。
そのためにも先ほどの牛レバーとホウレン草のソテーのときにも登場したニンニクなどを生かしましょうね。
昆布と煮干しダシのわかめご飯
昆布と煮干しでお出汁を取って、わかめを具に使った炊き込みご飯です。 塩分を抑える効果も期待できて、お米を雑穀米やこんにゃく入りにすることでカロリーも抑えられて、なおかつ栄養バランスに優れた健康的なダイエット食にもなりますよ♪
材料 (3合炊きの場合)
・出汁昆布 5×15cm角一枚(市販の昆布ダシ粉末(大さじ1)でも代用可)
・煮干し(カルシウムを摂るために具材にも使えます)
・お米 3合(雑穀米もOK)
・乾燥わかめ(適量をお好みで)
・しらたき(お好みで) ・おしょう油 小さじ2杯 ・お水 適宜
作り方
・お米を研ぐ(雑穀米を使うときはアマランサスの場合などパッケージに書いてある指示に従ってください)
・出し昆布を使う場合は水から昆布を煮出して(沸騰させないようにします)から粗熱を取っておきます。
・乾燥わかめを水にさらして戻しておく(2~3分でOK)
・しらたきを入れる場合は細かく切っておきましょう。
・炊飯器にお米、わかめ、おしょう油、だし汁(もしくは水+ダシ粉末)を入れて30分寝かす。
・炊き上がったらご飯粒がつぶれないように切るようにしながら軽く混ぜて完成です♪
この献立のポイント
その時の体重管理の増減に合わせてご飯と一緒に炊くしらたきの量を増やしたり、便秘が気になる時は雑穀米で食物繊維を摂れるようにするなど「その時に合わせたアレンジ」を楽しみながら低カロリーで尚且つカルシウムやマグネシウムの補給がバランス良くできるところです。
雑穀米の種類にもよりますけど、粟や稗(“あわ”や“ひえ”)を使うとビタミンB群のバランスに優れた栄養食にもなります。
ビタミンB群は、その中に葉酸も含まれる(ビタミンB9とも呼ばれているのが葉酸です)赤ちゃんの成長や産後ダイエットにも役立つ「産後の肥立ち」を良くする栄養食でもあります。
また、炊き込みご飯なのでいろいろな具材を組み合わせることで栄養バランスを「その時自分と赤ちゃんにとって必要な栄養食」として日常的に生かすこともできるというのが魅力でもありますね。
妊娠中のダイエット食の献立まとめ
今回は妊娠中の体重管理ダイエットに使える低カロリー&バランスの良い栄養補給ができる献立を特集しました。
冒頭でもご紹介した通り、妊娠中は自分自身の健康と赤ちゃんの健康な成長は表裏一体な関係にあります。
今まで気にしたことのない方の場合は栄養素と食材の関係を調べたり、ちゃんとそれが摂れるような献立を考えたりするのは面倒に感じるかも知れません。
でも、妊娠中に体重管理のためとお腹の赤ちゃんのために食生活を見直してみると産後に健康的でキレイな体型戻しや授乳。
育児のためにも役立ってくれることは間違いありません。
ぜひ将来のための時間の投資だと思って栄養と食材、その献立などチャレンジするつもりで取り組んでみてはいかがでしょうか♪