妊娠中はホルモンバランスの変化を始めとしていろいろな変化が起こります。
妊娠後期になると母乳を赤ちゃんに与える準備のためにおっぱいが大きくなったり、体質の変化で今まで食べたいと思わなかったものが食べたくなったり・・・
これらの変化と共に妊娠中を通じて起こる変化が『太ったりお尻が大きくなったり、脚が太くなったりする』という体型の変化です。
これはお腹の赤ちゃんを守るためには必然的な変化なのですが、実際に日に日に体重が増えていく自分に不安や恐怖を覚えてしまい、特にお医者さんから指示が出ていないのにも関わらずダイエットに励んでしまう方が少なくないんです。
妊娠中でも、少しでもキレイなスタイルを維持したい。
産後に少しでもきれいな体型に戻したい
妊娠しているのに旦那がバカにする!
だから今のうちに対策をとっておきたい・・・
妊娠中にダイエットを試みる理由は人それぞれあるかと思います。
そのお気持ちは良く分かりますが、妊娠中のダイエットは良いやり方と良くないやり方があります。良くないやり方をしてしまうとお腹の赤ちゃんに将来的にも影響を及ぼす大変なことになりかねない危険があります。
そこで今回は、次のような項目でお話して行きたいと思います。
- 妊娠中の良くないダイエットってどんなの?
- 良くないダイエットが“良くない理由”は?
- 妊娠中の良くないダイエットによる赤ちゃんへの影響
- 妊娠中は母体と胎児の為に適度な体重管理を
- 適度な体重管理をしていくコツ
- 妊娠中ダイエットの悪影響についておさらい
なお、ページの後半では適度な体重管理のポイントなども解説しているので、合わせてそちらも参考にしてみてください♪
妊娠中の良くないダイエットってどんなの?
妊娠中に良くないダイエットと言われるのは『食べない系ダイエット』です。
例えば、妊娠中にっも外食をすることがあるかと思いますが、その時についつい食べ過ぎてしまって、翌日から数日間の断食をするといったようなダイエットはあまりおすすめできません。もちろん食品添加物などが含まれていないオーガニックな野菜ジュースやミネラル豊富な飲み物でちゃんと栄養摂取を行うなら危険度は比較的少なく、実際にそういったダイエットを行う方もいます。
ですが、そういったダイエットをお水だけで行ってしまったり、むくんでしまうのが嫌だといって、水分補給もせずに断食をしてしまうことは『良くないダイエットの代表的な例』といえます。
良くないダイエットが“良くない理由”は?
妊娠中の良くないダイエットによる赤ちゃんへの影響
必要な体重管理ダイエットは大切
妊娠中に必要なダイエットというのは、脂質や糖質の摂りすぎを控えて先ほどの段落で触れた葉酸や鉄分、カルシウム、タンパク質、ビタミンB群などをしっかり摂る食事でのカロリー管理を行うことです。
もちろん食べ過ぎは良くありませんが、もし食べつわりなどの影響で口にしていない時間がつらいと感じる場合は、一日の食事を5回~6回に変えて少しずつ小分にして食べることで1回の食事量を減らして血糖値の急上昇を防ぎます。
ここで医師や助産師さんから話を聞いた事がある方や母子手帳に書いてあることを熟読された方は、妊娠中の血糖値と血圧上昇がいかに危険なことであることかをご存じの方もいらっしゃるかも知れませんね。
では、妊娠中の血糖値と血圧の急上昇と制御できなくなることがどのような病気と赤ちゃんへの影響が起こるのかをご紹介します。
妊娠中高血圧症候群・妊娠糖尿病のリスク
妊娠中高血圧症候群は、文字通り高血圧なのですが、一番怖いのは母子ともに命の危険に直結してしまう合併症が伴う点です。
妊娠中高血圧症候群の合併症は、母胎に起こる肺水腫や脳出血といったものがあります。
もうひとつの妊娠糖尿病は、妊娠中のホルモンバランスの変化によって血糖値を適正値に保つインスリンの効きが弱くなってしまう『インスリン抵抗性』という現象が起こり、それによって血糖値が上昇したまま下がらなくなってしまうため血液がドロドロになり赤ちゃんに栄養を運べなくなることが問題です。結果として赤ちゃんの発育不全、機能不全、催奇形性、巨大児などに直結します。
このように、妊娠中の体重管理を怠ってしまうことも、母体と赤ちゃんにとって非常に悪い影響与えてしまうことになります。
妊娠中は母体と胎児の為に適度な体重管理を
妊娠中のダイエットのしすぎ、しなさすぎにはどんな悪影響があるかわかったところで、具体的にどのような体重管理を行ったらよいのか? と言うその先の部分について解説していきます。
妊娠初期
この時期はつわりなどの影響から、体重が減ってしまう人がとても多い時期です。
逆に食べつわりの場合は体重が増えすぎてしまう場合も考えられます。
先ほどのご紹介した『小分け食』を活用するなどして16週目までの『体重増加なし』におさえることができたら、その後の妊娠生活が楽になります。
妊娠中期
この時期は、1ヵ月に1キロほどのペースで体重が増えていくようにコントロールしていくことを、心がけましょう。
1週間で0.3kg前後におさえることが基準になります。ですがここで先ほどの『良くないダイエット』のように今月の1週目で1kg増えてしまったからと言って残りの3週間で体重増加をゼロにしよう!というような『帳尻合わせ』のような危険なダイエットを行ってはいけません。
妊娠後期
この時期は体重を抑えているつもりでも、どんどん体重が増えていく時期です。 油断していると1週間で1キロも増えてしまうことだってあります。
先ほども解説したように、太りすぎる事は母体と赤ちゃんに大きな悪影響与えてしまうため、極端にダイエットする必要はありませんが、極端に体重が増えないように意識することが必要です。
なお、妊娠初期から出産までのトータルの体重増加の目安は、先生によって意見が様々な部分もありますが、おおよそ7キロから12キロの体重増加が目安だと言われています。
なので、この体重増加の目安を基準にして、体重のコントロールを行うように意識しましょう。
適度な体重管理をしていくコツ
ここまでで、体重コントロールの必要性や、体重管理の流れについて見ていきましたが、実際に体重が増えすぎないようにコントロールしていくために、どうしたら良いのかという、具体的な部分について解説していきます。
妊娠中の体重管理では、極端なことが制限されているため、食事と運動のこの2つを意識していくことがポイントになります。
まずは食事について
妊娠中は、どうしてもいちにちの消費カロリーを増やすことがなかなか難しくなってくるため、必要以上に摂取カロリーを増やさないことが大切になってきます。 またそれと同時に、お腹の中の赤ちゃんに必要な栄養をきちんと届けてあげることも忘れてはなりません。
では、その2つを同時に考えた食事はどうしたら良いのかと言うと、緑黄色野菜が中心となる食事を意識することです。
緑黄色野菜には、赤ちゃんに必要な栄養素が豊富に含まれています。さらにそもそものカロリー数がそんなに高くないため、たくさんの種類の緑黄色野菜をバランスよく摂取していくような食事をメインにしていくことで、必要な栄養を確保しながらも、余分な摂取カロリーを抑えることが可能になるんです。
次に運動
運動はあまりしない方が良いと言うイメージを持たれている方も少なくありません。 実際に息切れするような激しい有酸素運動や、重たいものを持つような厳しいウェイトトレーニングなど、そういった方法は実際に良くありません。
妊娠中の運動では、お散歩程度のウォーキングが丁度良いと言われています。 実際に、外を出て30分程度歩くだけでも、消費カロリーは全然変わってきますし、何より全身の筋肉を使うためちの巡りが良くなり、基礎代謝の向上にもつながってきます。
激しいことをせずとも、難しいことをしなくても、健康的に少しずつ痩せていくことができるダイエット方法が、ウォーキングです。
この2つの体重管理のコツを毎日の生活に取り入れていくことで、極端に太りすぎない仕組みが出来上がります。 妊娠中の体重管理はどうしよう。と迷っている方は、是非この方法を取り入れてみてください。
妊娠中ダイエットの悪影響についておさらい
このページでは、妊娠中のダイエットをしすぎてしまうこと、しなさすぎてしまうことによる悪影響を解説しました。
なお、ダイエットが必要な場合には、お医者さんから体重管理を行うように指示が出るはずです。 そうなるまでは、無理にダイエットをするような意識を持たずに、適度な体重増加をキープ出来るような体重コントロールを意識していきましょう。
そして、いざ体重コントロールが必要になった際は、このページでまとめた体重管理のコツを本格的に実践してみて下さい。